2018年6月28日木曜日

第13章 世の中 (元データと判定・解釈・考察と書き換え)

第13章 世の中

 世の中とは、この世とあの世(来世)を表していると考えています。あの世にいれば、あの世が世の中ですし、今の我々は、この世が世の中です。 
 真理のことばでは、来世とは死後の世界、つまりあの世のことです。
 この世とあの世を行ったり来たりするのが輪廻転生です。しかし、この二つの世界から離れることが、解脱(安らぎ、涅槃、ニルヴァーナに入る)です。これが、人間に課せられた課題で、それをこなすために示されたのが、お釈迦様が説かれた仏道なのです。

詩番号 167~173
***(元データ)*************
167)下劣なしかたになじむな。怠けてふわふわと暮らすな。邪な見解をいだくな。世俗のわずらいをふやすな。
168)奮起てよ。怠けてはならぬ。善い行いのことわりを実行せよ。ことわりに従って行なう人は、この世でも、あの世でも、安楽に臥す。
169)善い行ないのことわりを実行せよ。悪い行ないのことわりを実行するな。ことわりに従って行なう人は、この世でも、あの世でも、安楽に臥す。
170)世の中は泡沫のごとしと見よ。世の中はかげろうのごとしと見よ。世の中をこのように観ずる人は、死王もかれを見ることがない。
171)さあ、この世の中を見よ。王者の車のように美麗である。愚者はそこに耽溺(タンデキ)するが、心ある人はそれに執著しない。

172)また以前は怠りなまけていた人でも、のちに怠りなまけることが無いなら、その人はこの世の中を照らす。──あたかも雲を離れた月のように。
173)以前には悪い行ないをした人でも、のちに善によってつぐなうならば、その人はこの世の中を照らす。──雲を離れた月のように。
***(判定)*************
167)A
168)B
169)B
170)A
171)D
172)A
173)A
***(コメント)*************
167)なし
168)ことわり(理)を道理と置き換えます。
169)168)と同様に、言葉を置き換えた上で、日本語が変なので、整えます。
170)この詩は、仏教で言う空の教えを、簡単な言葉で記しています。
171)“愚者”は“愚かな人”と書き直しましょう。 愚かな人との対応ですから、“心ある人”=“賢い人”となります。
172)、173)怠りなまけた人の償いは、怠りなまけないことです。悪い行いをした人の償いは、善を行うことです。 第22章 地獄 314)で記述される、悪いことをするくらいなら、何もしないほうが良いという内容と一致します。172)と173)の詩に統一感を出すために、“また、”と、“あたかも”を消します。173)詩は書き換え不要になりますが、一応、両者を並べて記述します。
***(書換え詩)*************
167)書き換え不要
168)奮起てよ。怠けてはならぬ。道理に従った善い行いを実行せよ。道理に従って行なう人は、この世でも、あの世でも、安楽に臥す。
169)道理に従った善い行ないを実行せよ。道理に従わない悪い行ないを実行するな。道理に従って行なう人は、この世でも、あの世でも、安楽に臥す。

170)書き換え不要
171)さあ、この世の中を見よ。王者の車のように美麗である。愚かな人はそこに耽溺(タンデキ)するが、賢い人はそれに執著しない。
172)以前は怠りなまけていた人でも、のちに怠りなまけることが無いなら、その人はこの世の中を照らす。─雲を離れた月のように。
173)以前には悪い行ないをした人でも、のちに善によってつぐなうならば、その人はこの世の中を照らす。─ 雲を離れた月のように。
詩番号 174、175
***(元データ)*************
174)この世の中は暗黒である。ここではっきりと(ことわりを)見分ける人は少ない。網から脱れた鳥のように、天に至る人は少ない。
175)白鳥は太陽の道を行き、神通力による者は虚空(ソラ)を行き、心ある人々は、悪魔とその軍勢にうち勝って世界から連れ去られる。
***(判定)*************
174)A
175)B
***(コメント)*************
174)なし
175)白鳥と神通力による者とは、一体、何であるか、さっぱりわからないと思います。両者とも、相当、霊格は高いと思いますが、真理のことばで表現されている範囲では真人というカテゴリーの人だということしかわかりません。ですから、一応、人間ではありそうです。
 ここで、日月神示が記す天人級の人を2分割にして分類しているくだりがあるのでご紹介します。
 ひふみ神示 黄金の巻 第九十二帖
 つつましく、正しくして行けば その国々で一切不足なく暮して行けるやうに何も彼も与へてあるに気付かんのか。天災地変は人間の心のままと申してあらう。豊作、凶作 心のままぞ。今のままで行けば何うなるか、誰にも判らんであらうが、神示通りに出て来ること、未だうたがってゐるのか。
ひつくとみつくの民あると申してあらう。ひつくの民は神の光を愛の中に受け、みつくの民は智の中に受ける。愛に受けると直ちに血となり、智に受けると直ちに神経と和して了ふのであるぞ。二つの民の流れ。(一月三日)

 ひつくの民は、白鳥でしょう。みつくの民は、神通力による者 でしょう。しかし、日月神示のこの件は、難解で、実は私にもよくわかりません。しかし、地球に生まれてくる天人級の存在は、ほとんどがみつくの民だそうです。しかし、お釈迦様は、太陽の裔と、おっしゃっているのでひつくの民なのではないかと思っています。
 “心ある人”は、少し曖昧な言い方ですから、“自己を正しく治め”と書き換えます。
 白鳥と神通力による者は、もちろん、人間です。少し、系統が違うだけです。彼らが努力することにより、真人に近づいた時に、禅定により知慧を得る時の発現が異なるのでしょう。すべての人間に課せられている最終課題は、ズバリ、「人々は、自己を正しく治め、悪魔とその軍勢にうち勝てば、世界から連れ去られる。 」こと、つまり、輪廻からの解脱です。
***(書換え詩)*************
174)書き換え不要

175)白鳥は太陽の道を行き、神通力による者は虚空(ソラ)を行く。人々は、自己を正しく治め、悪魔とその軍勢にうち勝てば、世界から連れ去られる。


詩番号 176、177
***(元データ)*************
176)唯一なることわりを逸脱し、偽りを語り、彼岸の世界を無視している人は、どんな悪でもなさないものは無い。
177)物惜しみする人々は天の神々の世界におもむかない。愚かな人々は分かちあうことをたたえない。しかし心ある人は分かちあうことを喜んで、そのゆえに来世には幸せとなる。
***(判定)*************
176)B
177)B
***(コメント)*************
176)彼岸の世界=安らぎ(解脱後の世界、ニルヴァーナ、涅槃)の世界とします
177)“心ある人”は、この詩から考えて、賢い人と取りましょう。天の神々の世界に赴かないという表現は、後代に付け加えられたものでしょうから、削除します。
***(書換え詩)*************
176)唯一無二の真理を逸脱し、偽りを語り、安らぎの世界を無視している人は、どんな悪でもなさないものは無い。
177)愚かな人々は分かちあうことをたたえない。しかし賢い人々は分かちあうことを喜ぶ。そして、それぞれが、自己にあいふさわしい来世に赴く。
詩番号 178
***(元データ)*************
178)大地の唯一の支配者となるよりも、天に至るよりも、全世界の主権者となるよりも、聖者の第一階梯(カイテイ)(預流果)のほうがすぐれている。
***(判定)*************
178)D
***(コメント)*************

聖者の第一階梯(カイテイ)(預流果)に関しては、怪しげな解説が付きまとうので、「自己を治め、真人となるほうが」と書き換えます。
***(書換え詩)*************
178)大地の唯一の支配者となるよりも、天に至るよりも、全世界の主権者となるよりも、自己を治め、真人となるほうがすぐれている。

(第13章 世の中 終わり)