2018年6月13日水曜日

第26章 バラモン 書換え詩一覧 その6

訂正・変更履歴
・ 第22 悪いところ(地獄改め) から詩(307)[367]を詩(393)の後に移動


()は中村元氏の詩番号、 [  ]は編集した詩のシリアル番号 

真理のことば 第26章 バラモン 書換え詩一覧

(387)[135]
 太陽は昼にかがやき、月は夜に照し、武士は鎧を着てかがやき、バラモンは瞑想に専念してかがやく。しかしブッダはつねに威力もて昼夜に輝く。

(406)[136]
 敵意ある者どもの間にあって敵意なく、暴力を用いる者どもの間にあって心おだやかに、執著する者どもの間にあって執著しない人、──その人を我は<バラモン>と呼ぶ。

(383)[137]
 バラモンよ。流れを断て。勇敢であれ。諸の欲望を去れ。諸の現象の消滅を知って、作られざるもの_法を知る者であれ。

(399)[138]
 罪がないのに罵られ、なぐられ、拘禁されるのを堪え忍び、忍耐の力あり、心の猛き人、──その人をわれは<バラモン>と呼ぶ

(415)[139]
 この世の欲望を断ち切り、出家して修行し、欲望の生活の尽きた人、──その人を我は<バラモン>と呼ぶ。

(416)[140]
 この世の愛執を断ち切り、出家して修行し、愛執の生存の尽きた人、──その人を我は<バラモン>と呼ぶ。

(389)[141]
 バラモンを打つな。バラモンは打つ人に対して怒りを放つな。バラモンを打つものには禍がある。しかし(打たれて)怒るバラモンにはさらに禍がある。

(393)[142]
 身なりによってバラモンなのではない。氏姓によってバラモンなのでもない。生れによってバラモンなのでもない。真理と理法とをまもる人は、安楽である。その人こそ(真の)バラモンなのである。

(307)[367] 第22 悪いところ(地獄改め) から移動
 袈裟を頭から纒っていても、性質(タチ)が悪く、つつしみのない者が多い。かれら悪人は、悪いふるまいによって、悪いところに生まれる。

(394)[143]
 愚者よ。バラモンの身なりだけ整えて、何になるのだ。汝は内に密林(=汚れ)を蔵して、外側だけを飾る。

(395)[144]
 粗末な身なりで、痩せて、血管があらわれていようとも、寂しい場所で一人で瞑想に専念する人、─その人を我は<バラモン>と呼ぶ。

(396)[145]
 われは、(バラモン女の)胎から生れ(バラモンの)母から生れた人をバラモンと呼ぶのではない。この人は「<きみよ>といって呼びかける者」といわれる。かれは何か所有物の思いにとらわれている。無一物であっても執著のない人、──その人を我は<バラモン>と呼ぶ。

(404)[146]
 在家者・出家者のいずれとも必要以上に交らず、住居にこだわらずに修行し、欲の少ない人、──その人を我は<バラモン>と呼ぶ。

(405)[147]
 強くあるいは弱い生きものに対して暴力を加えることなく、無益な殺生を行うことも、行わせることもない人、──その人を我は<バラモン>と呼ぶ。

(409)[148]
 この世において、長かろうと短かろうと、微細であろうとも粗大であろうとも、浄かろうとも不浄であろうとも、すべて与えられていない物を取らない人、──かれをわれは<バラモン>と呼ぶ。

(408)[149]
 粗野ならず、ことがらをはっきりと伝える真実のことばを発し、ことばによって何人の心を害する目的のない人、──その人を我は<バラモン>と呼ぶ。

(388)[150]
 悪を静め、瞑想を完成させたので<バラモン>(婆羅門)と呼ばれ、慎みが完成したので<修行僧>と呼ばれる。正しい教えのもとで出家し努め励むので、<出家者>と呼ばれる。

(401)[151]
 <バラモン>は、蓮葉の上の露のように、先の錐(キリ)の尖(サキ)の芥子のように、緒の欲情に汚されてはならない。

(407)[152]
 <バラモン>は芥子粒が錐(キリ)の尖端から落ちたように、愛著と憎悪と高ぶりと隠し立てとが脱落しなくてはならない。

(402)[153]
 <バラモン>は、すでにこの世において自分の苦しみの滅びるように学び務め、重荷をおろし、とらわれを無くさなければならない。

(410)[154]
 <バラモン>は、現世を望まず、来世をも望まず、欲求がなくて、とらわれることがあってはならない。

(411)[155]
 <バラモン>は、こだわりあることなく、さとりおわって、疑惑なく、不死の底に達するよう、学び務めよ。

(412)[156]
 <バラモン>は、この世の禍福いずれにも執著せず、憂いなく、汚れなく、清らかになるよう、学び務めよ。

(413)[157]
 <バラモン>は、曇りのない月のように、清く、澄み、濁りがなく、歓楽の生活の尽きた人となるよう、学び務めよ。

(384)[158]
 バラモンが、瞑想と智慧を得ることについて彼岸に達した(=瞑想を完成する)ならば、その人はよく知る人であるので、その人の束縛はすべて消え失せるであろう。

(400)[159]
 怒ることなく、つつしみあり、戒律を奉じ、欲を増すことなく、瞑想を完成させ、最後の身体に達したバラモン、─その人を我は<ブッダ>と呼ぶ。

(385)[160]
 彼岸(カナタノキシ)もなく、此岸(コナタノキシ)もなく、彼岸・此岸なるものもなく、恐れもなく、束縛もないバラモン、─その人を我は<ブッダ>と呼ぶ。

(386)[161]
 静かに思い、塵垢(チリケガレ)なく、おちついて、為すべきことをなしとげ、煩悩を去り、輪廻転生を離れ解脱したバラモン、─その人をわれは<ブッダ>と呼ぶ。
(第26章 バラモン 終わり)