2017年11月20日月曜日

第3, 4章 心, 花にちなんで 書換え詩一覧 その2

訂正履歴
① 2017/11/20現在 → 2018/1/17訂正版


“真理のことば”の書換え詩一覧その1(第1章、第2章)へ、「(32)[26]怠り怠けない生活を楽しく嬉しく実践する人は、堕落するはずはなく、すでに安らぎ(ニルヴァーナ)の近くにいる。」を移す。(180605)


真理のことば 第3章  心、第4章  花にちなんで


書換え詩一覧 その2

()は中村元氏の詩番号、 [  ]は残した詩のシリアル番号

第3章 心

(33)[27]
 心は動揺し、ざわめき、護り難く、制し難い。
 修行(覚醒)者は、心を鎮め、護り、制す。そして、心を治める。 
(34)[28]
 多くの人の心は、水の中の すみか から引き出されて陸「おか」の上に投げ捨てられた魚のように、悪魔の支配から逃れようともがきまわる。しかし、やがて、力尽き悪魔の軍門に屈する。 
(35)[29]
 心は、捉え難く、軽々(かろがろ)とざわめき、欲するがままにおもむくところがある。その心を、正しく治めることは良いことである。
 心を正しく治めれば、安楽が得られる。
(36)[30]
 心は、極めて見難く 極めて微妙な部分と、欲するがままにおもむく部分がある。悪魔が、これらの心を狙って支配する。
 心を悪魔から守らなければ、安楽は得られない。
(37)[31]
 心は独りで動きまわり、遠くに行ってしまう部分がある。また、形体なく、胸の奥の洞窟(心臓)にひそんでいる部分もある。これら心を治める人々は、死の束縛から逃れるであろう。 
(38)[32]
 正しい真理を知らず、信念が汚されたならば、心の安楽(安住)は得られず、よって、さとりの智慧は湧いてこない。
(39)[33]
 心が煩悩に汚されず、念いが乱れずに、善悪のはからいを捨てるに至った覚醒者は、何も恐れることが無い。 
(40)+(41)[34]
 ああ、この身はまもなく地上によこたわるであろう。守っていた心は抜けてしまい、水瓶の破片のように、無用になる。
 この身体は、この水瓶のように脆いものだと知って、身体への執着を離れよ。そして、心を堅固に安立して、智慧の武器をもって、心で悪魔と戦え。勝ち得たものを執着することなく守れ。
(42)[35]
 憎む人が憎む人にたいし、怨む人が怨む人にたいして、どのようなことをしょうとも、邪なことをめざしている心はそれよりもひどいことをする。 
(43)[36]
 母も父もその他親族がしてくれるよりもさらに優れたことを、正しく向けられた心がしてくれる。
(第3章終わり)

第4章 花にちなんで

(44)[37]
 だれがこの大地を征服するであろうか?
 だれが閻魔の世界と神々とともなるこの世界とを征服するであろうか?
 わざに巧みな人が花を摘むように、善く説かれた真理のことばを摘み集めるのはだれであろうか?

(45)[38]
 学びにつとめる人こそ、この大地を征服し、閻魔の世界と神々とともなるこの世界とを征服するであろう。
 わざに巧みな人が花を摘むように、学びつとめる人々こそ善く説かれた真理のことばを摘み集めるであろう。
(46)[39]
 この身は泡沫のごとくであると知り、かげろうのようなはかない本性のものであると、さとったならば、悪魔の花の矢を断ち切って、死王に見られないところへ行くよう心がけるべきである。
(47)+(48)[40]
 花を摘むのに夢中になっている人を、死がさらって行き、眠っている村を、洪水が押し流す。花を摘むのに夢中になっている人が、未だ望みを果たさないうちに、死神(悪魔)が彼を征服する。
(49)[41]
 蜜蜂は(花の)色香を害(そこなわず)に、汁をとって、花から飛び去る。
 修行者が村に行くときは、そのようにせよ。
(50)[42]
 他人のした事としなかった事を鑑みて、他人の過失を責めず、ただ学べ。
 自分のした事 としなかった事を省み、自己の過失は改よ。
(51)[43]
 うるわしく、あでやかに咲く花でも、香りの無いものがあるように、善く説かれたことばでも、それを実行しない人には実りがない。
(52)[44]
 うるわしく、あでやかに咲く花で、しかも香りのあるものがあるように、善く説かれたことばも、それを実行する人には、実りがある。
(53)[45]
 うず高い花を集めて多くの華鬘(はなかざり)をつくるように、人として生まれまた死ぬべきであるならば、多くの善いことをなせ。
(54)[46]
 花の香りは風に逆らっては進んで行かない。栴檀(せんだん)もタガラの花もジャスミンもみなそうである。
 しかし徳のある人の香りは、風に逆らっても進んで行く。徳のある人はすべての方向に薫る。
(55)[47]
 栴檀、タガラ、青蓮華、ヴァッシキー____これら香りのあるものどものうちでも、徳行の香りこそ最上である。
(56)[48]
 タガラ、栴檀の香りは微かであって、大したことはない。しかし徳行のある人々の香りは最上であって、天の神々にもとどく。
(57)[49]
 徳行を完成し、つとめはげんで生活し、正しい智慧によって解脱した人々には、悪魔も近づくによし無し。
(58)+(59)[50] 
 大道に捨てられた塵芥(ちりあくた)の山堆(やまずみ)の中から香しく麗しい蓮華が生じたなら輝くように、塵芥にも似た盲(めしい)た凡夫のあいだにあって、正しくめざめた人(ブッダ)の弟子は智慧をもって蓮華のように輝く。
 (第4章終わり)